血尿・尿潜血
血尿・尿潜血について
血尿は一般的に、肉眼的血尿と顕微鏡的血尿の2つに分けられます。
肉眼的血尿とは肉眼で見て赤く、血が混じっていると判断できる血尿
顕微鏡的血尿は、肉眼では血が混じっているようには見えないが、顕微鏡でみてみると血が混じっているものです。
肉眼的血尿については尿 1 L 中に血液 1 mL 以上を含むものともされています(血尿診断ガイドライン2023年)
皆様が検診で血が混じっているといわれた、血尿と言われたという場合、たいていは顕微鏡的血尿に分類されます。または検診では顕微鏡を使わずに簡便な検査で判定しており、顕微鏡でみると実際は血尿ではないと判断されることも時々経験されます。
(※尿沈渣における尿中赤血球数を基準として感度 60~80%,特異度 78~97%であるとされています)
血尿の原因
実は顕微鏡的血尿と肉眼的血尿で、その原因の分布には大きな差があります。
顕微鏡的血尿である場合、原因はいろいろあるのですが、実際に治療が必要となる病気があることはとても稀です。例えば、尿は腎臓で血液がこされて作られるのですが、その際に血液成分がごくわずか尿に交じってしまうことがあります。これを菲薄基底膜症候群と呼び代表的な顕微鏡的血尿をきたす原因ですが、たいていは良性の経過をたどるとされます。
実際の検査としては血液検査、尿検査、エコー、尿細胞診検査を行い、特に問題ないと判断されれば生活指導の上で経過観察を行い、それ以上の検査や治療が必要となることはまれです。他には膀胱炎、尿路結石、生理中などが原因であることが多く、癌が原因である可能性は低いといえます。他には腎炎ということもあります。
いっぽうで、肉眼的血尿の場合は原因分布として癌の占める割合が一気に高くなるため、注意が必要です。泌尿器科医の目線はまずは癌の見落としがないように診察する、ということになります。また、治療を要する腎炎の可能性も高まります。
尿路上皮癌と呼ばれる膀胱癌や尿管癌には特に注意が必要で、腎がんや前立腺癌が見つかることもあります。
ただそうではあるものの、やはり膀胱炎や尿路結石、血液をサラサラにする薬を飲んでいる、激しい運動をした(運動後血尿)といった良性の血尿であることがほとんどを占めてはいます。特に腰痛を伴う場合は尿路結石のことが多いです。肉眼的血尿の場合、続けば貧血となり命にかかわることもありますから、いずれにしても早急な原因特定が必須となり、合わせて対応が必要です。
当院ではエコー、レントゲン、膀胱鏡、尿細胞診検査、血液検査を即日行い、血尿の迅速診断を心がけています。また、CT検査が必要であればCTのある医療機関へと速やかな紹介を行い、画像をお持ちいただけるなら即日、CT診断まで行います。血尿が出ているということの患者様の不安はよくわかっています。
しかしながら早く泌尿器科を受診いただけると結果的には良い方向へとつながりやすいと思います。

こんな血尿・尿潜血は注意
目に見える血尿がでた(肉眼的血尿)、過去には認められなかったが尿潜血を新たに指摘された、尿潜血をもともと指摘されているもののその程度がひどくなった(例:1+が3+になった等)、頻尿や排尿時痛、下腹部痛を伴う場合は特に注意が必要です。癌や感染症、腎炎等の治療を要する疾患である可能性が高くなります。
考えられる病気と原因・治療
菲薄基底膜症候群
原因:遺伝子変異で糸球体基底膜が薄くなる 遺伝もあるとされている
治療:蛋白尿が出てなければ経過観察
膀胱炎などの尿路感染症
原因:膀胱内への細菌やウイルス、真菌感染
治療:抗生剤治療 水分摂取
尿路結石症
原因:体質 食事の影響等 水分摂取不足(尿が濃い状態が続いている)
治療:尿と共に自然排石されるのを待つ、内視鏡下破砕術、体外衝撃波治療
膀胱癌
原因:喫煙 各種化学物質への暴露等が言われていますが、はっきりとした原因はわかっていません
治療:手術(まずは内視鏡下に切除) 必要に応じて追加治療

検査の流れ
尿検査、尿の細胞を調べる検査(尿細胞診検査)、超音波検査、必要に応じて膀胱鏡やCTなど
診療科目一覧
