健康診断で血圧が高いときは?基準値や家庭血圧・受診目安を解説

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「健康診断で血圧が高いといわれたけれど、すぐに病院へ行くべき?」「普段は症状がないので、このまま様子を見てもよい?」と迷っていませんか。健康診断で一度高い値が出ても、その結果だけで高血圧と確定するわけではありません。ただし、高い状態が続いている場合は、心臓や脳、腎臓などへの負担が大きくなるため、放置せず家庭血圧を測ることが大切です。

血圧は、緊張、睡眠不足、寒さ、測定前の運動や喫煙などでも一時的に上がります。自宅で朝と夜に測定して記録を残すことで、健診時だけ高くなる白衣高血圧なのか、普段から高い状態なのかを考える手がかりになります。

この記事では、健康診断で使われる血圧の判定値、高血圧の基準、家庭血圧の測り方、生活習慣の見直し方と受診目安を解説します。結果票の見方や今後の対応に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

健康診断で血圧が高いときの基準と考え方

健康診断の判定値、高血圧の診断基準、治療中に目指す血圧は、それぞれ役割が異なります。数値だけで自己判断せず、結果票の判定や家庭血圧、ほかの検査結果も含めて、今後の対応を考えることが大切です。上の血圧と下の血圧のどちらか一方が基準を超えた場合も対象になるため、まずは数値の見方を押さえましょう。

健診の保健指導・受診勧奨判定

特定健診では、収縮期血圧130 mmHg以上または拡張期血圧85 mmHg以上が、生活習慣を見直す保健指導判定値です。収縮期血圧140 mmHg以上または拡張期血圧90 mmHg以上になると、医療機関への受診を勧める判定値に該当します。

ただし、受診勧奨判定値を超えた場合の案内は、血圧の高さによって2段階に分かれています。厚生労働省の標準的な健診・保健指導プログラムでは、収縮期血圧160 mmHg以上または拡張期血圧100 mmHg以上の場合は「すぐに医療機関の受診を」、収縮期血圧140〜159 mmHgまたは拡張期血圧90〜99 mmHgの場合は「生活習慣を改善する努力をしたうえで、数値が改善しないなら医療機関の受診を」と案内する形になっています。

この点について、2024年度の改訂をきっかけに「高血圧の基準が160/100 mmHgへ変わった」という誤解が広まり、日本高血圧学会が正しい理解を求める文書を公表しています。高血圧の診断基準は変わっておらず、160/100 mmHgという数値は「すぐに受診すべき血圧」を示すものです。140/90 mmHg以上であれば、心臓や血管への負担が高まる状態に変わりはありません。

また、受診勧奨判定値を超えたからといって、すぐに薬による治療が始まると決まったわけではありません。まずは家庭血圧の測定と生活習慣の見直しから始めることが一般的です。なお、これらは特定健診で使われる考え方であり、勤務先の健康診断や人間ドックでは判定記号や案内内容が異なる場合があります。

数値だけを見て判断せず、「要受診」「要再検査」など結果票に記載された指示を優先してください。血糖値や腎機能などにも異常がある場合は、あわせて医療機関へ相談しましょう。

診察室血圧・家庭血圧の高血圧基準

医療機関や健診会場で測る診察室血圧では、収縮期血圧140 mmHg以上または拡張期血圧90 mmHg以上が高血圧の基準です。一方、自宅で測る家庭血圧では、収縮期血圧135 mmHg以上または拡張期血圧85 mmHg以上が基準になります。この診断基準は、2025年に公表された日本高血圧学会の高血圧管理・治療ガイドラインでも据え置かれています。

家庭血圧は診察室血圧より一般に低く、普段の血圧を反映しやすいとされています。脳卒中や心疾患などのリスクを予測するうえでも、家庭血圧は重要な情報です。

なお、高血圧と診断される基準と、治療中に目指す血圧は同じではありません。同ガイドラインでは、これまで年齢や合併症ごとに分かれていた降圧目標が見直され、原則として診察室血圧130/80 mmHg未満、家庭血圧125/75 mmHg未満に統一されました。ただし、高齢の方や体力が低下している方、めまい・ふらつきがある方、腎機能が低下している方などでは、状態に合わせて目標を調整します。実際にどこまで下げるかは、持病や治療状況を踏まえて医師が判断します。

一度の高値と高血圧診断の違い

血圧は日や時間帯によって変動するため、健康診断で一度高い値が出ただけでは、高血圧症と確定するわけではありません。別の日にも測定し、高い状態が続いているかを確かめる必要があります。

ただし、「一度だけだから大丈夫」と放置するのも適切ではありません。健診結果をきっかけに家庭血圧を測り、朝と夜の値を記録しましょう。複数日の結果を医師へ見せることで、普段の血圧や今後の対応を判断しやすくなります。

無症状でも続く血管・臓器への負担

高血圧は、自覚症状がほとんどないまま続くことがあります。頭痛やめまいがないからといって、血管への負担が少ないとは限りません。高い圧力が長くかかると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎機能低下などの危険性が高まります。

症状が出るまで待つのではなく、数値で状態を確かめることが重要です。家庭血圧を測り、必要に応じて生活習慣の改善や治療を始めることで、将来の脳・心血管病や腎機能低下のリスクを抑えることにつながります。健診結果を、早めに対応するきっかけとして活用しましょう。

健康診断で血圧が高くなる理由

健診時の血圧が高くなる背景には、緊張や体調による一時的な変化と、普段から血圧が高い状態の両方があります。生活習慣だけでなく、腎臓やホルモンの病気、服用薬が関係するケースもあるため、一つの原因に決めつけないことが大切です。家庭血圧や過去の健診結果も手がかりにしながら、主な理由を見ていきましょう。

緊張による白衣高血圧

健診会場や診察室で緊張すると、交感神経が活発になり、血圧が上がることがあります。医療機関では高い一方、家庭血圧は基準未満となる状態が白衣高血圧です。測定前から不安を感じやすい方や、慣れない環境で緊張した方にみられることがあります。

白衣高血圧でも、将来は持続性高血圧へ移行する可能性があるため、家庭血圧を継続して記録することが大切です。反対に、診察室では正常でも家庭や職場で高くなる仮面高血圧もあり、健診時の数値だけでは普段の状態を判断できません。

体調・測定条件による一時的な上昇

睡眠不足、寒さ、痛み、発熱、精神的な緊張などがあると、血圧は一時的に上がることがあります。測定直前の運動、喫煙、カフェイン摂取、会話なども数値へ影響する可能性があります。腕帯の位置や大きさが合っていない場合も、測定値が安定しにくくなります。

健診会場へ急いで到着し、十分に休まず測った場合も高く出ることがあります。高値が出たときは、可能であれば座って安静にしてから再測定してもらいましょう。ただし、家庭血圧でも高い状態が続く場合は、一時的な上昇と決めつけず医療機関へ相談してください。

生活習慣による高血圧

日本人の高血圧では、食塩のとりすぎが重要な原因です。肥満、運動不足、多量飲酒なども血圧を上げる要因となり、複数の生活習慣が重なることで高血圧になりやすくなります。家族に高血圧の方がいる場合は、遺伝的な体質も関係します。

生活習慣による高血圧は、短期間の対策だけで判断するものではありません。毎日の食事や体重、運動量、飲酒習慣を振り返り、続けられる範囲から見直す必要があります。具体的な改善方法は、後半で解説します。

病気や薬による二次性高血圧

腎臓の病気、腎臓へ向かう血管の狭窄、副腎や甲状腺などホルモンに関係する病気、睡眠時無呼吸症候群などが原因で血圧が上がることがあります。このように、原因となる病気が明らかな高血圧を二次性高血圧と呼びます。

非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、甘草を含む漢方薬など、薬が関係する場合もあります。若い年代で急に高くなった、治療しても下がりにくい、以前より急に悪化したときは、持病や服用薬も含めて医師へ伝えましょう。薬が疑われても、自己判断で中止してはいけません。

家庭血圧の正しい測り方

家庭血圧は、健診時だけ高いのか、普段から高いのかを判断する重要な情報です。ただし、姿勢や時間帯が毎回異なると数値を比べにくくなります。できるだけ同じ条件で朝と夜に測り、測定値をそのまま記録しましょう。血圧計の種類、姿勢、測定時間、記録方法をそろえることが、普段の傾向を知るポイントです。

上腕式血圧計と測定姿勢

家庭で使用する血圧計は、手首式よりも上腕へ巻くタイプが一般的に勧められます。腕の太さに合う腕帯を選び、素肌または薄い衣服の上へ正しく巻きましょう。厚手の服の上から測ったり、袖を強くまくり上げて腕を締めつけたりすると、正確な値が出にくくなります。

測定前は椅子に座って1〜2分安静にし、背もたれへ背中をつけます。脚を組まず、両足を床につけ、腕帯が心臓と同じ高さになるよう腕を机へ置いてください。測定中は話さず、身体の力を抜いて自然に呼吸しましょう。

朝・夜の測定時間

朝は起床後1時間以内を目安に、排尿を済ませ、朝食や服薬の前に測ります。夜は就寝前に測定するのが基本です。入浴、飲酒、運動の直後は血圧が変動しやすいため、少し時間を空けて落ち着いてから測りましょう。

毎日まったく同じ時刻でなくても構いませんが、朝と夜でおおよその条件をそろえることが大切です。体調が悪い日や睡眠不足の日も普段どおり測り、その日の体調や行動も一緒に記録すると、数値が変化した理由を医師が考えやすくなります。

測定値の記録と平均値

1回の測定機会につき原則2回測り、両方の値を記録します。診療では複数回の平均値を用いて評価することがありますが、数値が高かったからといって何度も測り直し、低い値だけを残すのは避けてください。血圧手帳や記録機能を使い、測定した値をそのまま残しましょう。

週5日以上、できれば毎日測ると、普段の傾向をつかみやすくなります。受診時には朝と夜の記録を持参し、測定した期間や体調、服薬状況も伝えてください。脈拍や不整脈の表示が出た場合も、あわせて記録すると診察の参考になります。

血圧が高いときの生活習慣の見直し

生活習慣の改善は、血圧を管理する基本です。食事や運動を一度に大きく変えるより、毎日の中で無理なく続けられる方法を選びましょう。ただし、生活改善だけで十分とは限らず、血圧値や持病によっては薬による治療も必要です。降圧薬を自己判断で中断せず、主治医の指示に沿って取り組むことが大切です。

塩分を控えた食事

高血圧の予防や治療では、食塩摂取量を1日6g未満に抑えることが目標です。しょうゆやみそを使いすぎないだけでなく、漬物、汁物、加工肉、麺類のスープ、惣菜などに含まれる塩分にも注意しましょう。栄養成分表示では、食塩相当量を確認します。

いきなり薄味にすると続けにくいため、汁物は1日1杯までにする、麺のスープを残す、調味料をかけず小皿へ取るなど、具体的な工夫がおすすめです。香辛料、酢、かんきつ類、だしを使うと、塩分を減らしても味に変化をつけられます。

体重管理・適度な運動

体重が増えると血圧も上がりやすくなるため、肥満がある方は急激ではなく、無理のない減量を目指します。毎日体重を測り、食事量や間食、夜食を振り返ると、増加の原因を見つけやすくなります。短期間で体重を落とそうとせず、継続できる食生活を意識しましょう。

運動は、歩行や軽い自転車などの有酸素運動を、できれば1日30分程度行うことが一般的です。運動習慣がない方は短時間の散歩から始め、少しずつ時間を延ばします。ただし、血圧が非常に高い方、心臓病や腎臓病がある方は、運動前に医師へ相談してください。

飲酒・喫煙習慣の見直し

多量の飲酒を続けると血圧が上がりやすくなります。飲酒量を減らす、飲まない日を設ける、飲む速さをゆっくりにするといった方法から始めましょう。治療薬や持病によって適切な量が異なるため、主治医へ相談することも大切です。

喫煙は一時的に血圧を上げるだけでなく、動脈硬化を進め、脳卒中や心筋梗塞の危険性を高めます。血圧管理では禁煙も重要です。自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来や医療機関の支援を活用すると、取り組みを続けやすくなります。

睡眠・ストレスへの対処

睡眠不足や不規則な生活が続くと、自律神経のバランスが乱れ、血圧へ影響することがあります。起床と就寝の時刻をできるだけそろえ、十分な睡眠時間を確保しましょう。夜遅い時間の飲酒やカフェインを控えることも、睡眠を整える助けになります。

緊張やストレスを完全になくすのは難しいため、入浴、散歩、深呼吸など、自分が落ち着ける時間を意識して作ります。強いいびきや日中の眠気、睡眠中の呼吸停止を指摘された場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群は血圧を上げるだけでなく、夜間に何度もトイレへ起きる原因にもなるとされているため、思い当たる方は医療機関へ相談してください。

血圧が高いときの受診目安と受診先

健診で高血圧を指摘された場合は、結果票の判定、家庭血圧、持病、症状を合わせて受診時期を考えます。血圧が高くても無症状のことは多い一方、脳や心臓の病気を疑う症状があるときは緊急の対応が必要です。受診を先延ばしにしないため、早めに相談したいケース、救急受診の目安、受診後の検査を分けて解説します。

早めに受診したいケース

健診結果が「要受診」「要再検査」となっている場合は、症状がなくても結果票の指示に従いましょう。家庭血圧で135/85 mmHg以上が続く方や、すでに治療中なのに高い値が続く方も、朝と夜の記録を持参して医師へ相談してください。健診で収縮期血圧160 mmHg以上または拡張期血圧100 mmHg以上を指摘された方は、生活習慣の改善を待たずに早めの受診が勧められます。

糖尿病、腎臓病、心臓病、脳卒中の既往がある方は、血圧による影響を受けやすいため、早めの評価が必要です。若い年代で急に高くなった場合や、短期間で大きく上昇した場合も、二次性高血圧を含めて原因を調べます。

救急受診を検討する症状

血圧が180/120 mmHg以上で、胸の痛み、強い息苦しさ、突然の激しい頭痛、視界の異常などを伴う場合は、測り直しに時間をかけず救急受診を検討してください。ろれつが回らない、片側の手足が動かしにくい・しびれる、意識がぼんやりするといった症状は、脳卒中の可能性があります。速やかに救急要請を行いましょう。

症状がなく、安全に待てる状態であれば、数分間座って安静にしてから再測定します。再測定しても180/120 mmHg以上が続く場合は、自己判断で様子を見続けず、速やかに医療機関へ連絡してください。血圧の数値だけで高血圧緊急症と決まるわけではなく、急性の臓器障害を疑う症状の有無が重要です。

医療機関で行う主な検査

医療機関では血圧を改めて測り、家庭血圧の記録、生活習慣、持病、家族歴、服用薬などを確認します。血液検査では腎機能、血糖値、脂質、電解質などを調べ、尿検査では蛋白尿や血尿の有無を確認します。

心電図で心臓への負担や不整脈を調べるほか、必要に応じて胸部X線や心臓超音波検査などを行います。二次性高血圧が疑われる場合は、ホルモン検査、腎臓や血管の画像検査、睡眠時無呼吸症候群の検査などを追加することがあります。

内科・循環器内科の役割

健診で血圧が高いと指摘された場合は、まず内科へ相談できます。家庭血圧や検査結果を踏まえ、生活習慣の見直しを中心に経過を見るのか、薬による治療も必要なのかを一緒に検討します。糖尿病や腎臓病がある場合も、普段の通院先や内科で相談するとよいでしょう。

胸痛、息切れ、動悸、心電図異常、心臓病の既往などがある方は、循環器内科が適しています。腎臓病やホルモンの異常が疑われる場合は、腎臓内科や内分泌内科へ紹介されることもあります。受診先に迷うときは、通いやすい内科から相談してください。

まとめ | 健診で血圧が高ければ家庭血圧を測ろう

健康診断で血圧が高くても、一度の測定だけで高血圧症と確定するわけではありません。特定健診の判定値と高血圧の診断基準は役割が異なるため、結果票の指示を確認し、自宅では朝と夜に家庭血圧を測りましょう。診察室血圧140/90 mmHg以上、家庭血圧135/85 mmHg以上が高血圧の基準で、この基準は2025年のガイドラインでも変わっていません。

高い状態が続く場合は、症状がなくても脳、心臓、腎臓などへ負担がかかります。減塩、体重管理、運動、節酒、禁煙、睡眠の見直しを進めながら、家庭血圧の記録を持って医療機関へ相談してください。胸痛、息苦しさ、突然の麻痺、言葉の出にくさなどを伴う場合は、速やかな救急対応が必要です。

市川妙典おがわ泌尿器科・内科では、健診結果や家庭血圧の記録、生活習慣、服用薬などを確認し、必要な検査や今後の対応を一緒に検討します。高血圧のある方では、夜間に何度もトイレへ起きる、足がむくむ、いびきや日中の眠気が気になるといった症状を伴うことも少なくありません。当院は内科と泌尿器科の両方を診療しているため、血圧の管理とあわせて、こうした排尿や睡眠に関する悩みもご相談いただけます。健康診断で血圧の異常を指摘された方や、家庭血圧の高い状態が続いている方は、お気軽にご相談ください。専門的な検査や治療が必要な場合は、適切な医療機関と連携します。

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